海外ドラマやホテルのインテリアなどで、ベッドの上におしゃれな枕(ピロー)やクッションがたくさん置かれていることがありますね。
海外では実用的に使われているのは勿論ですが、デコラティブピロー(Decorative pillow)などとも呼ばれ、クッションでお部屋を絵画の様に色や質感を立体的に装飾して楽しまれています。
『こんなに置いて邪魔じゃないのかしら?』『寝るときはどうするの?』なんて思われたことありませんか。
ベッドの上で長い時間リラックスする時間を大切にするホテルや海外のインテリアでは、このたくさんのクッションたちがとても重要な役割を果たしています。
こちらのコラムでは、海外風の洗練されたベッドルームを参考にしていただけるよう、
『どうしてたくさん飾るの?』『どう飾ったら素敵に見えるの?』
などなどお話しさせていただきます。
■ベッドの上にたくさんのクッションを置くのはなぜ?
2つの理由がよくあげられます。
まず1つは、19世紀以前ヨーロッパでは、王侯貴族のベッドルーム(寝室)」といえば、通常は一般生活の中で、最もプライベートな空間のひとつですが、当時、寝室は一種の儀式の場でもありました。
マリーアントワネットの映画にもありましたが、ヴェルサイユ宮殿では、神父や国王たちがベッドの周囲に集まり、儀式をおこなうことによって結婚をお祝いされます。
ただ、これは王侯貴族に限られたことではなく、一般的にも19世紀までは結婚の儀式としておこなわれていた様です。
現代の私達の感覚では寝室は隠れ家でもあり、プライベートな休息の場でもあり、寝室をパブリックな空間とは考え難いですね。ですから、綺麗に豪華に飾り整える習慣が王侯貴族にあり、それを真似た庶民にも広がったのでしょう。
クッションや天蓋(てんがい)などの手の込んだテキスタイルでセッティングし、飾り整える事は権力や知的意識の高い事だと思われていました。その時代以前の窓の数や窓をどれだけ飾れるかで権力や財産を示すといった時代背景にも似ています。
そしてよく挙げられるもう1つの理由としては、日本とは異なる『室内で靴を履いたまま』の生活スタイルから来ているのではないでしょうか。
最近、特にコロナ禍以降は西洋の人たちも家の中で靴を脱いで生活する人が増えたように聞かれますが、基本的には靴を履いたままの生活スタイルです。それゆえ日本人や東洋の生活様式のように床に座り込んだり、寝そべったりということはしません。
リビングではソファーで、自分のお部屋ではベッドの上でくつろぎます。
そして、ベッドの上で本読んだりテレビを観たり、食事を摂ったりもします。日本ではお行儀が悪いと叱られそうですね。でも洋画などに出てくる友人同士は、ベッドの上で靴のままくつろいで楽しくお喋りしたりしています。
そんな時の為の背当て、背もたれや体をキープするたくさんのクッションが役に立ちますね。
眠るときは抱き枕にもしたりします。
■眠るときは邪魔になるけど、どうするの?
夜寝るときは、洋服のまま使用したベッドカバーやフットスロー、そしていらないクッションは外して、椅子の上に置いたりオットマンや籠などに置いておきます。床にぽいぽいと投げ置いてしまう人もいるみたいですね。
パジャマに着替えて眠るときは、清潔なピローカバーを使用した枕に顔をうずめて就寝します。眠る用の枕は重ねたクッションの一番下かベッドカバーの中に入れておきます。
そして、ベッドを使用しない時はデコラティブピローとして、部屋全体のインテリアとしての装飾を高めるためにセッティングしておきましょう。
朝起きて、ベッドを整えるときに、お気に入りのクッションたちも綺麗にセッティングすれば気持ち良い一日が迎えられますね。
部屋を美しく整える習慣は人生を有意義に豊かにしてくれるはずです!
■ベッド上のクッションをお洒落に素敵に飾るには?
現代のスタイルに決まりはありません。
自分が気持ちよく過ごせる好きなもので、自由にデコラティブピローのコーディネートを楽しんでみてください。
ピローの置き方には、寝かせたまま重ねていく「スタッキング」と、後ろから前に立てかけていく「スタンディング」の2種類が一般によく使われるスタイルです。
ヘッドボートから大きさを順に小さくするのがバランスは良いですね。
体をキープするための物は後ろ側か下側に、手前にはアクセントになる色や形や柄ものを置くとコーディネートし易く空間が引き締まります。
素敵にデコレートされている例を写真でご紹介します。是非、参考にしてみてください!
まずは私達が納品させて頂いたホテルの例です。
海外のお洒落なベッドメイキングクッション
色味のグラデーションを合わせて、ポイントは壁の色と手前のクッションの深いネイビー色で空間がしまり引き立ちます
ブルーグリーンの色合いの中に、スカイブルーとクリーム色で爽やかな印象に、デュべやスローの色をクッションと同様にしています
同じブランドの掠れた花柄模様で壁紙、ベッドカバー、クッションを揃え、シャープさを取り入れるために同じ染料のパレットで染め上げてるボルスターとベッドカバーの裏生地のライトグレーがポイントとなっています
クールでシックな空間には、ビッグクッションとペアーのブラック色のクッションを。
ブラック色のクッションはトレンドのインテリアやソファーをよりスタイリッシュに決めてくれます。
オレンジとベージュを基本色にしてブリック色をポイントにして無造作に色の美しさや楽しさが伝わってきます。
スタンディングでセッティングされている例です。
手間のクッションを段々と小さくしてバランスを整えます。
セッティングに決まりはありません。
自分の好きに使いやすく日常を演出できるようにコーディネイト。
壁の色をクッションで繫げています。
美しいスカイブルーのクッションとベッドスプレットがあれば、大胆な模様替えと気分転換も可能です。
アーストーンの優しい色合いを大胆な柄でヘッドボードやベッドスカートを演出、クッションも彩度を合わせてコーディネイト、お洒落度がグッと上がります。
クールでスタイリッシュなベッドルームには、無造作に天然素地のクッションをいくつか置いてみてください。
スタッキングの手前をスタンディングで。
花柄をカーテンとコーディネイト。
上のベッドの上に、さらに好みのテキスタイルクッションを加えてミックス&マッチに。
自分好みが倍増していきます。
こちらもスタッキング+スタンディングのセッティング。
ウィリアムモリスのテキスタイルの1色を取り入れて、ブリック色のフリルクッションをポイントに。
ウィリアムモリスのライトトーンのファブリックで、明るく優しく和らかな印象に。
ライトトーンのコーディネイトは、柄物と柄物を合わせて上手くマッチします。
天井高があり広い空間には、濃い色や複雑な柄、質感に重厚感のあるクッションをポイントにするとより上品に仕上がります。
いかがでしたか?
当店のクッションは様々なテイストや大きさのものをご用意しています。
色や形、素材などをコーディネートして、お洒落で素敵なベッドルームを完成させてみてはいかがでしょうか。